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家賃は収入の何割が目安?

 賃貸物件に住む場合、毎月発生する家賃については慎重に検討する必要があります。収入に対して高い家賃の物件を借りていると、生活を圧迫してしまうことが考えられるからです。それでは、収入の何割程度であれば無理なく快適に暮らしていけるのでしょうか。

賃貸物件に住む場合、収入の何割程度が家賃の目安になるのか。ほかにも家賃を決めるときの注意点や物件選びのポイントについて紹介していきます。

 

 

 

●家賃は収入の3分の1程度を目安に

毎月発生する家賃の支払いですが、無理なく生活していくためにも収入の3分の1程度を目安にするとよいでしょう。ただし、これはあくまで目安になります。貯蓄をなるべく増やしたい、立地の良いところに住みたいなどの場合は、この割合を増やしたり減らしたりする必要があります。
それではなぜ収入の3分の1がひとつの目安になるのか、その理由を見ていきましょう。

 

 

収入の3分の1とは額面ではなく手取り収入

収入の3分の1程度が家賃を考えるうえでひとつの目安になりますが、それは額面ではなく手取り収入の3分の1(約30%)のことです。手取り収入は、税金関係を差し引いた金額なので、実際に手元に残る資金のことを指しています。額面の収入で計算して家賃を決めると、思ったよりも手元にお金が残らなくなってしまう懸念があります。生活が圧迫されてしまう恐れがあるので、あくまで手取り収入の3分の1を目安にして計算しましょう。

 

なぜ手取り収入の3分の1が目安になるのか

総務省統計局の「家計調査(家計収支編) 単身世帯」(2020年)を見ると、住居費を除く1ヶ月あたりの単身世帯の支出は129,558円となっています。手取り収入が200,000円の場合は約70,000円が残り、そこから家賃や貯蓄などに充てることになるでしょう。手取り収入が200,000円ならその3分の1は約67,000円となるので、たとえば家賃に50,000~60,000円支払ったとしても手元にある程度のお金が残る計算になります。

以上のように、家賃以外の月々の支出を踏まえて計算していくと、生活を圧迫せずに暮らしていくには収入の3分の1がひとつの目安になることがわかります。

 

手取り収入の4分の1を目安にしたほうがよいケースも

最近では、手取り収入の4分の1程度の家賃にしたほうがよいとも言われています。将来のための貯蓄や病気になったときのことを考え、固定費である家賃を節約したほうがよいためです。

家賃を手取り収入の4分の1から3分の1を目安にする場合、手取り収入が「150,000円」「200,000円」「250,000円」「300,000円」としたときどれくらいの金額になるのか、次の表を見てみましょう。

 

 

総務省統計局「家計調査(家計収支編) 単身世帯」(2020年)

 

家賃を収入の3分の1にした場合と4分の1にした場合では、月々10,000~20,000円ほどの差が出ます。収入が増える分だけその差はさらに広がります。備えとして貯蓄額の大きさを優先するか、暮らす物件の選択肢の広さを優先するかなど、目的に合せて割合を決めることが大切です。

 

 

 

●二人暮らしの家賃の目安は?

同棲カップルや夫婦が二人暮らしする賃貸物件を探す場合、家賃はどの程度が目安になるのでしょうか。二人暮らしの家賃の目安となる収入の割合、毎月かかる支出について解説していきます。

 

二人暮らしの場合も家賃の目安は4分の1から3分の1程度

一人暮らし同様に、二人暮らしの場合も家賃の目安は手取り収入の4分の1から3分の1程度になります。二人の収入を合算して4分の1から3分の1程度の家賃なら、比較的よい条件の物件が見つかるでしょう。

何かあったときのために、収入の多くを貯金に回したいなら手取り収入の4分の1程度の家賃のほうが生活に余裕は生まれます。ライフスタイルに合わせて、適切な家賃の物件を選びましょう。

 

二人暮らしするなら家賃の負担割合を事前に決めておこう

同棲カップルや夫婦で二人暮らしをする場合、どちらがどの程度家賃を負担するのか事前に決めておく必要があります。物件を決めてから負担割合を決めると、トラブルの原因になる可能性があるので、よく話し合ってから決めることが大切です。

二人暮らしで多いのが、家賃などの生活費は折半するというケースになります。どちらも働いているなら、同額負担のほうがトラブルは少ないという考え方の人が多いようです。

 

二人暮らしでかかる家賃以外の支出はどのくらいになる?

家賃以外にも、二人暮らしをするうえで食費や光熱・水道費などがかかります。具体的に、家賃以外には毎月どれくらいの支出が発生するのか、総務省の家計調査報告のデータをもとに紹介していきます。

【2020年 消費支出(二人以上の世帯)】

二人の手取り収入がそれぞれ200,000円ずつで計400,000円と考えた場合、およそ150,000円が残ります。400,000円の4分の1の場合、家賃100,000円がひとつの目安になるため、広い選択肢のなかから物件を選ぶことができるでしょう。さらに、貯蓄にもある程度の金額をまわすことができます。

 

 

●家賃を決める際に留意したいポイント

家賃の目安について紹介してきましたが、家賃を決めるときにはほかにも意識したいポイントがあります。どのようなことに着目したほうがよいのか、詳しい内容を見ていきましょう。

 

管理費や共益費も含めて家賃を決める

賃貸物件では、廊下などの共用部分の維持に関する費用として管理費や共益費を支払う場合がほとんどです。そのため、物件選びの際は家賃以外に管理費や共益費の金額についても把握しておく必要があります。計算から漏れていると、月々の支払が思ったよりも多くなってしまうため注意が必要です。

 

家賃を決めるときにはボーナスを含めない

会社員の場合、夏と冬などにボーナスが支払われることもあるでしょう。しかしそのボーナスを踏まえて家賃を決めることは避けたほうがよいです。ボーナスは会社の業績によって金額が変動する恐れがあり、場合によっては支払われないこともあります。ボーナスも含めて家賃を決めてしまうと、もしものときに支払えなくなってしまう恐れがあります。

ボーナスは貯蓄にまわしたり、今後の生活のために必要なものを購入したりする費用として残していたほうが、将来的にも安心でしょう。家賃の支払いにはボーナスを含めず、手取り収入を目安として賃貸物件を選ぶことをおすすめします。

 

転職の可能性も考慮して家賃補助は含めないほうがよい

職場によっては家賃補助制度を設けているケースがあります。しかし家賃を決めるうえでは、ボーナスと同様家賃補助も含めないほうがよいでしょう。もしも転職した場合、必ずしも転職先でも家賃補助の制度があるとは限らないためです。

 

貯金できる金額も考慮しておく

家賃を決める際に、いくら貯金したいか金額を考慮しておくことも大切です。将来のことを考えて貯金にまわすお金を多くしたいなら、ある程度家賃の目安を下げる必要もあるでしょう。反対に、貯金よりも住む場所にこだわりたいという場合は、貯金額を下げて家賃の目安を上げるのもひとつの方法です。

 

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