和室の掃除は、洋室とは異なります。砂壁や白木の柱はデリケート。畳や障子もゴシゴシこすることはできません。汚れを落としても、壁や柱に傷やシミをつけることは避けなくてはなりません。拭き掃除の注意や、汚れ取りなど場所別・素材別に和室の掃除方法を解説します。
〇和室の掃除は大変?
実は、和室の掃除は手順とポイントを守れば楽ちんなのです。それは、基本は水拭きができないからです。ただし、丁寧に掃除をする日は、固く絞った雑巾で水拭きが必要になる箇所もあります。
普段の掃除ではかかる、雑巾を水で絞る・雑巾を洗う・干すの3つの手間が不要です。これは、楽ができるところですよね。
〇和室全体の掃除の注意点は?
掃除の基本は上から下へ、電灯のカサや、立って手を伸ばす上方から掃除をはじめ、畳の掃除が最後になります。ホコリ取りには、はたきやハンディモップを使うため、ほこりが下に落ちるからです。
普段は乾拭きでも、丁寧に掃除をする日は、水拭きが必要な場所もあります。
※水拭きの際の注意!
固く絞って、水分をできるだけ少なくした雑巾で拭けるところを拭き掃除します。天気がよい日を選び、拭いたところが早く乾くように風通しを良くするなどの配慮をしましょう。
〇柱・敷居・長押・障子などの白木はどう掃除する?
和室の木部は白木のままで、ペンキやニスが塗られていません。白木部分の掃除は基本的には乾拭きです。
白木部分の汚れが気になるときは、固く絞った雑巾で水拭きをします。それでも取れない汚れは、白木用の洗剤や漂白クリーナーを利用する方法もあります。
〇和室の壁の掃除 砂壁・珪藻土・漆喰など
和室の壁の掃除も慣れるまでは戸惑いますね。砂壁も珪藻土も水拭きができないところで、強く拭くと壁に傷ができてしまうからです。
和室の壁は、はたきかハンディモップを使いましょう。はたきはほこりをはたいて下へ落とし、ハンディモップは静電気でほこりを吸着してくれます。
※壁に汚れがついたらどうすればいい?
壁に汚れがついたときに役に立つのは消しゴムです。もし、消しゴムで取れなければ、メラミンスポンジかサンドペーパーでそっと汚れをこすり取ります。 砂壁の汚れは要注意です。汚れを取ることで砂が落ちてしまう場合は、汚れを取らないという選択肢もあります。
〇畳の掃除はどうする?
和室の掃除の大きな悩みどころは、「畳に掃除機をかけてもいいのか」ではないでしょうか。また、畳に汚れやカビがある時はどうすればよいかも気になりますね。
畳に掃除機をかけるときの注意
畳に掃除機をかけても大丈夫です。ただし、力いっぱい掃除機をかけるのはNG。キャニスター式の掃除機ならゴロゴロ引っ張らずに、本体を持ち上げて掃除機をかけましょう。
掃除機をかけるときのコツ!
・隙間ノズルで、先に畳と畳の間や壁との隙間は掃除しておく
・畳の目に沿って方向別に1枚ずつ掃除機をかける、ゴシゴシこすらない
・へりが痛む原因になるため、ヘリには掃除機をかけない
掃除機本体を手にもってかけるのが大変な場合は、昔ながらの座敷ホウキで掃除をしましょう。畳の目に沿ってホウキで掃いていくと、畳に負担をかけず、穂先が程よく目から汚れをかきだしてくれます。
畳の拭き掃除の仕方
畳の拭き掃除も基本は乾拭きです。畳の目に沿ってやさしく拭いていきます。水拭きは、固く絞った雑巾で拭きます。水拭きは頻繁にしすぎると畳の色が黒ずむこともあるので注意が必要です。
水拭きは、天気のよい日に換気をよくしておこないましょう。
畳の汚れ・カビ
畳に飲み物をこぼした場合はどうすればいいのでしょうか。また、畳にカビが出ることもあります。汚れやカビの取り方も知っておきましょう。
畳に飲み物や食べ物をこぼしたときは、すぐにタオルやティッシュで水分をふき取ります。その後、住居用洗剤を薄めた水で固く絞った雑巾で拭き取りましょう。
※注意!
スプレータイプの住居用洗剤の直接スプレーはNG、シミになる可能性があるためやめておきましょう。
畳にカビが発生した場合は、お酢もしくはエタノールでの掃除が効果的です。
〇プロに和室掃除を依頼するのもアリ!
和室の普段の掃除はコツを覚えると楽になります。畳も壁も白木の柱なども、乾拭きが基本で、ゴシゴシこする掃除は禁物と覚えておきましょう。
長年使っている和室では、白木がやけや汚れで変色しているケースが多くみられます。白木は適切な掃除をすると、汚れを落とせます。白木らしさが戻ると、部屋が明るくなりますよ。プロに依頼して汚れを落としてはいかがでしょうか。