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タイニーハウス

「タイニーハウス」をご存じだろうか。「タイニーハウス」に明確な定義はないが、おおむね延べ床面積10〜25㎡程度の文字通り〝小さな家〟。米国において移動できる車輪付きの小さな家が注目されたことに端を発し、日本では2011年の東日本大震災による大津波や大地震を経験したことで身軽なライフスタイルへの関心が高まり、住まいの選択肢の一つとして「タイニーハウス」が注目されるようになった。これに昨今の生活に必要なものを最低限にする〝ミニマリスト〟の風潮が加わり、再び「タイニーハウス」への注目が集まっている。使い方も住まいとして利用するほか、一定期間だけ営業する飲食店や店舗、ホテルの客室など柔軟性が高い。一方で「タイニーハウス」は定義のあいまいさから、分かりにくいのも確かだ。「タイニーハウス」が一体どのようなものか見ていこう。

 

タイニーハウス

 

 

 

●「タイニーハウス」は大きく2種類

まずは、「タイニーハウス」にどのような種類があるのか見ていこう。大きく分けると、移動型と固定型の2種類がある。稼働型は、冒頭にも触れた車輪が付いて移動が可能なトレーラーハウスのようなものだ。その発祥からも「タイニーハウス」のイメージに一番近い形態と考えていいだろう。車輪付きの小さな家から車輪を取り除いたものも、このタイプといっていいだろう。車輪を取り付けさえすれば、すぐに移動が可能になるからだ。固定型は、基礎を設置しないタイプと基礎を設置するタイプに分類される。基礎を設置しないタイプの例としては、コンテナハウスのようなものがイメージしやすい。コンテナハウスも置いてあるだけのタイプであれば、クレーンで吊り上げ、トラックなどに積めば、移設が簡単にできる。
 また、固定型のうち基礎を設置するタイプは、文字通り小さな家を建てるものになる。このタイプでは、約6畳のログハウスタイプから約8畳のロフト付き、ファミリータイプの2階建てまでさまざまなバリエーションがあることが特徴といえる。
 そして、「タイニーハウス」の大きな魅力は、その価格だ。セルフビルドのキットとして販売しているものなども含めれば、おおよそ100万〜300万円で取得できる。

 

「タイニーハウス」は大きく2種類

 

 

●建築確認が必要かどうかに注意

「タイニーハウス」は、そのタイプによって法律上の取扱いが異なってくる。まず、建築基準法上の「建築物」に該当するかが問題になる。移動型で車輪などを付けて移動することが可能なタイプに分類されるものは、建築確認が不要だ。固定型で基礎を設置しないタイプ(コンテナハウス)でも、建築基準法の建築物に該当すれば、建築確認が必要になる。

 建築物に該当する場合、

①「タイニーハウス」を建てる場所が、都市計画区域外のときには建築確認が不要となる。

②「タイニーハウス」を建てる場所が、都市計画区域内又は準都市計画区域内であって、

  (1)防火、準防火地域内か

  (2)延べ床面積が10㎡を超える建物を増改築する場合か

  (3)更地に新たに建築するときは、建築確認が必要となる。

なお、(2)と(3)の場合でも、用途地域が無指定であり、防火、準防火地域に指定をされていなければ、床面積にかかわらず建築確認は不要である。

 また、「タイニーハウス」がある土地の用途地域が、防火地域・準防火地域では基準を満たす防火構造になっているかに関してもチェックされる。さらに、既に住宅が建っている敷地に「タイニーハウス」を建築する場合、既に建っている住宅の建ぺい率・容積率に合算されるため注意が必要となる。

 

 

●固定資産税はかかるのか?

「タイニーハウス」のメリットは、固定資産税がかからないケースがあることだろう。固定資産税の対象かどうかは、前出の建築確認申請の有無とは関係がない。固定資産税の対象となるかどうかは、地方税法上の「家屋」に該当するかで判断され、これは、不動産登記の対象となるかどうかが基準となるが、この基準は、「外気分断性」「土地への定着性」「用途性」を備えているかどうかを、税務署が判断する。基本的に車輪が付いていたり、固定されずクレーンですぐに移動できるものは、固定資産税の対象とならない場合がある。ただし、トレーラーハウスの場合は、「車両」に該当し、自動車税等がかかる場合があるので注意が必要だ。
 また、「タイニーハウス」は延べ床面積が小さいことから、固定資産税の対象になっても税額が一般的な住宅と比べると抑えられる。

 

 

●既存事業の派生で独自ノウハウを蓄積

 ここまで「タイニーハウス」の建築基準法上の取り扱いについて概要を見てきたが、宅建業者はどうビジネスに生かしていけばいいのだろうか。賃貸や売買の仲介業務で「タイニーハウス」を取り扱う場合、これまで見てきたような法律の要件を満たしているのかを確認する必要がある。「タイニーハウス」の購入者・賃借人からのニーズがあっても、宅建業者には独自の仲介ノウハウが必要な取引であると言える。
 「タイニーハウス」を取り扱うには、法律上は原則として宅建免許は必須ではないが、ケースによってさまざまなパターンが考えられるため、法律や制度をよく知る宅建業者が適しているといえる。また宅建業法上「建物」の明確な定義はないが、建物に当たる場合で自ら売主となる場合、売買・賃借を媒介する場合には宅建免許が必要となる。

 例えば、「車両を利用した工作物」に当たるトレーラーハウスのような「タイニーハウス」であれば、宅地建物取引業法に関係するのは、土地の売買仲介や賃貸借仲介になるだろうし、母屋の建つ土地に「タイニーハウス」が設置されているのであれば、その土地の仲介となると考えられる。そもそも「タイニーハウス」の定義があいまいなだけに、適法なものなのかも含めた判断が宅建業者に求められる。
 一方で、宅建業者が自ら「タイニーハウス」を所有し、賃貸などのビジネスとする場合や、取引がある土地オーナーの所有する未利用の土地や駐車場などの用途変換の一つとして「タイニーハウス」の展開を提案するということは、より現実的な関わり方だと考えられる。石川県金沢市の「タイニーハウス」を取り扱うある事業者は、貸しガレージ事業から派生して「タイニーハウス」のビジネスを始めたそうだ。その際には、さまざまなルールとの兼ね合いを見ながら、「タイニーハウス」事業を進めてきたという。
 「タイニーハウス」に関心がある宅建業者は、まずは既存事業の一部を拡張してノウハウを蓄積していくことが必要なのではないだろうか。

 

 

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